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難民「家、食料より国がほしい」トルコのキャンプ
(以下引用)
「ほしいのは、家でも食料でもない。国だ」。アサド政権の武力弾圧から逃れてきたシリア人男性が訴えた。隣国トルコ南部キリスの難民キャンプ。「停戦」中 のはずの古里では戦闘が続き、犠牲者は後を絶たない。「政権が倒れるまで帰らない」。地雷原を抜け脱出した父親がつぶやく。故国への渇望と、暴力への恐怖 のはざまで、難民たちは生きていた。
トルコ政府の許可を得て14日に訪れたキャンプには2000戸の仮設住宅が整然と並び、約1万500人のシリア人が暮らす。学校、病院やモスク(イスラ ム礼拝所)、品ぞろえ豊富なスーパーもある。難民のほとんどがシリア北部イドリブ県のイスラム教スンニ派だ。アサド大統領の出身母体で支配層の少数派アラ ウィ派はいないという。
昨年6月に出国した教員のマフムード・ムーサさん(41)は、家族4人で21平方メートルの仮設住宅で暮らす。2部屋でトイレやシャワーもある。電気、水道、医療費、3度の食事も無料だ。トルコ政府は各家族に月400ドル(約3万2000円)の生活費まで支給する。
住宅の屋根には各自が購入した衛星放送のアンテナも目立つ。ムーサさんは「ここでは一日中いつでもお湯が使える。停電や燃料不足のシリアでの生活よりいいぐらいだ」と笑顔を見せた。
キャンプの出入りは原則自由でシリア側との行き来も可能。だが、目と鼻の先の国境の向こうでは、当局の弾圧や政府軍と離反兵士らの衝突が続く。15日に は国連停戦監視団までイドリブで戦闘に巻き込まれた。負傷者はなかったが移動車両が損傷し、反体制派に一時保護されたという。
反体制団体「シリア人権観測所」によると民間人の死者は16日だけで約40人。昨年3月の騒乱本格化以降では推計1万人超。簡単に帰れる場所ではない。
「家より、食べ物より、本当にほしいのは祖国なんです」。ムーサさんの声に、望郷の思いがにじんだ。
シリア北部アレッポ近郊の菓子店経営、マフムード・ハンザルさん(31)。家族7人で政府軍の検問所を迂回(うかい)し、国境の地雷原を歩いて13日にキリスについた。「アサド政権が倒れるまで帰らない」と疲れ切った様子だ。
トルコ外務省によると、国内7カ所のキャンプで約2万2500人のシリア人が生活する。難民はレバノン、ヨルダン、イラクにも流れており、国連機関によると全体で約7万人に達している。
アサド大統領は16日、友好国ロシアのテレビで「混とんの種をまいている」と外国の「介入」を批判。反体制派を「テロリスト」と切って捨てた。